みずほ銀行などが融資した国内最大級のメガソーラー「瀬戸内Kirei太陽光発電所」(岡山県瀬戸内市、出力235MW)
みずほ銀行などが融資した国内最大級のメガソーラー「瀬戸内Kirei太陽光発電所」(岡山県瀬戸内市、出力235MW)
(出所:日経BP)
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 みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)およびグループ会社は、「責任ある投融資」などの管理体制の強化に向けて「特定セクターに対する取り組み方針」を制定した。6月15日から、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、米州みずほが同方針の運用を開始する。

 これまでみずほは、持続可能な開発目標(SDGs)など社会的課題の解決に向けて「環境への取り組み方針」および「人権方針」を制定している。例えば、環境への取り組み方針では、気候変動問題への対応や低炭素社会の構築、資源循環型社会の形成などに自主的に取り組むとする。

 具体的には、再生可能エネルギー事業へのファイナンスや地域経済の活性化、イノベーション企業支援など、環境・社会課題解決に資する商品・サービスの提供に積極的に取り組むとともに、リスク管理の観点から「責任ある投融資」などの管理態勢を強化してきた。

 今回発表した特定セクターに対する取り組み方針は、環境・人権の両方針を踏まえたもの。取引を通じて環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高い業種に関して、認識すべきリスクを示し、その低減・回避に向けて取引先の対応状況を確認するなどした上で取引判断を行うよう定めた。

 特に留意すべき取引として、石炭火力発電は、他の発電方式と比べて温室効果ガスの排出量が多く、硫黄酸化物・窒素酸化物といった有害物質を放出するなど、気候変動や大気汚染への懸念が高まっている。そこで、石炭火力発電を資金使途とする与信案件は、主に温室効果ガス排出に関わる技術が、同等のエネルギー効率を持つ代替技術と比べて適切な選択肢であるかなどを検証した上で与信判断を行うとしている。

 このほかにも、兵器製造を資金使途とする投融資の回避、パームオイルや木材の生産過程における先住民の権利侵害や児童労働などの人権侵害および天然林の伐採・焼き払いや生物多様性の毀損といった環境破壊への加担回避を挙げている。