EVの普及が電力需要に影響

図5●2040年のEVの新車販売市場を約4100万台と予想
図5●2040年のEVの新車販売市場を約4100万台と予想
(出所:BNEF)
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図6●EVによる電力需要の影響
図6●EVによる電力需要の影響
(出所:BNEF)
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 電気自動車(EV)の普及も、電力需要に影響し始める。同社では、2040年のEVの新車販売市場を約4100万台と予想している(図5)。新車販売数の35%をEVが占める。

 これにより、2040年のEVによる電力需要が2701TWhとなる(図6)。世界の年間の電力需要に占めるEVによる需要は、2028年ころから目立って高まり、2040年には「EVを含む電力需要」と「EV抜きの電力需要」の差が、8%に広がる。この差は、ドイツが約20%、米国が17%、中国と日本が10%などとなる。

 EV向けのLiイオン蓄電池パックの価格は、2015年の350米ドル/kWhから、2040年には120米ドル/kWhまで下がる。蓄電池パックのコスト低下が、EVの需要を押し上げる。

 また、屋根上などの分散型太陽光発電でも蓄電池の併設が増え、分散型太陽光発電向け蓄電池市場は2040年に2500億米ドル規模に拡大するとみている。年間の新設容量は、2040年に約1200GWに達する。

 さらに、こうした再エネ電源などへの投資では、国連が定めた気候変動目標に見合うCO2(二酸化炭素)排出量を実現できないと指摘した。今回の調査結果による2040年までに投資される新規導入分の7兆8000億米ドルに加えて、さらに5兆3000億米ドルの投資が必要になるという。