アイルランドの調査会社であるリサーチ・アンド・マーケッツ(Research and Markets)社は6月7日、定置型蓄電池システム(BESS)の世界市場は2018年の19.8億ドルから、2023年には85.4億ドルに拡大し、年率(GAGR)33.9%で成長するとの見通しを発表した(関連記事)。

 同社が刊行した調査レポート「定置型蓄電池システム市場 ― 2023年までのグローバル見通し」によるもの()。

図●リサーチ・アンド・マーケッツ社が刊行した調査レポート「定置型蓄電池システム市場 ― 2023年までのグローバル見通し」のイメージ
図●リサーチ・アンド・マーケッツ社が刊行した調査レポート「定置型蓄電池システム市場 ― 2023年までのグローバル見通し」のイメージ
(出所:ResearchAndMarkets)
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 同レポートでは定置型蓄電池システムの材料、タイプ、接続や所有の形態、用途、地域などの項目ごとに詳細な分析を行ったとしており、市場の概況や今後数年間の成長見通し、主要なメーカーなどをカバーしている。

 市場の成長をけん引する要因としては、蓄電池を電力網に接続するソリューションへの需要が増加していること、太陽光や風力などの再生可能エネルギー分野におけるリチウムイオン蓄電池技術への需要が大きいこと、同蓄電池のコストが下落していることを挙げている。

 一方、市場の成長を抑制する要因として、導入時に必要となる設備投資額が大きいことと、企業やプロジェクトにおける資金調達手段の欠如などを指摘した。

 同報告書では、同市場の主要企業として、スイスABB、韓国のLG化学とサムスンSDI、日本のNECやパナソニック、米テスラなどをカバーしている。