PV連係リチウムイオン蓄電システム
PV連係リチウムイオン蓄電システム
(出所:YAMABISHI)
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 YAMABISHI(東京都大田区)は、電力系統の長周期変動への影響を抑制する機能を実装した、太陽光向けリチウムイオン蓄電池システムを開発した。容量約48kWh、出力10kWで、約12kWの太陽光発電と連携して制御する。

 同蓄電池を組み合わせた自家消費型太陽光発電システムを、千代田システムテクノロジーズ(横浜市)が東京都の利島村(としまむら)に納入した。6月8日に発表した。

 太陽光発電と風力発電など出力変動の大きい再生可能エネルギーは、電力系統の品質に影響を与える恐れがある。特に離島などの島嶼部は、本土に比べて送電網が細く系統への影響がより大きいため、すでに多くの離島で大規模な太陽光や風力発電設備を導入できない状況にある。

 今回、東京都利島村に導入したリチウムイオン蓄電池システムは、同社が独自開発した長周期の変動抑制機能(固定放電モード)を搭載した。太陽光発電の出力変動や構内で消費しきれない余剰分は大容量の蓄電池で吸収しつつ、系統に負担をかけない安定したレートで夜間まで構内の負荷に放電するという。

 また、余剰発電を蓄電池で吸収しきれない場合は、逆潮流を防ぐため構内負荷と同等まで発電を抑制したり、防災用に一定の蓄電池残量を確保して運用するなど、きめ細かい制御が可能。

 利島村に納入したシステムは、蓄電池に東芝製リチウムイオン電池「SCiB」を採用。容量は48.2kWh、連系出力は10kW、電圧は単相3線200/100V。太陽光パネルの容量は12.2kW。今後、再エネ自家消費システムとして島内電力系統に悪影響が無いことを実証するとともに、防災時に非常用電源として活用する。