DK-Powerのビジネスモデル
DK-Powerのビジネスモデル
(出所:ダイキン工業)
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マイクロ水力発電システム
マイクロ水力発電システム
(出所:ダイキン工業)
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 ダイキン工業は、マイクロ水力発電システムを用いて発電事業を行う子会社「DK-Power(ディーケーパワー)」(大阪府吹田市)を6月7日に設立した。同社が2015年に設立した技術開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」の研究開発テーマから事業化したスタートアップ企業の第1号案件となる。

 DK-Powerは、自治体が保有する水道施設にマイクロ水力発電システムを設置して管理・運用・買電を行う。自治体は、負担なしで水流と設置場所の賃貸料を得られ、これらの収益を地域住民に対するサービス向上に活用できる。DK-Powerの資本金は4750万円。

 同システムは、既設の水道管に接続することで、未利用であった水力エネルギーから電力を創り出す仕組み。従来は発電規模に対して導入コストが高く、また機器が大きく設置場所が限られていた。

 ダイキンTICが開発したシステムは、設置場所が従来の約2分の1で、導入コストも大幅に削減した。水道施設に導入した場合、発電容量22kWの発電システムは一般家庭42世帯分に相当する年間154MWh、同75kWの発電システムは一般家庭146世帯分に相当する年間526MWhの発電量が見込める。

 環境省の委託事業として取り組んできたもので、既に富山県砺波広域圏事務組合水道事業所や福島県相馬地方広域水道企業団、神戸市、富山県砺波市が導入し、京都府長岡京市の水道施設への導入も検討されている。今後、環境貢献の意識の高い自治体へ展開し、2020年には一般家庭2万3300世帯分に相当する年間8万4000MWhの発電量を目指す。