ドイツのBosch社やContinental社、そしてデンソーに比肩する売り上げ規模を誇る自動車部品メーカーがドイツZF社である。2015年に米TRW Automotive社を買収したのを機に、「メガサプライヤー」の一角として存在感を高めている。

 メガサプライヤーの世界4強がしのぎを削っているのが自動運転車に向けた開発だ。ZF社は2017年に入って、人工知能(AI)開発で先頭を走る米NVIDIA社や、シート・内装部品を手掛ける大手部品メーカーのフランスFaurecia社と提携した(関連記事: ZFがAI対応ECUをNVIDIAと開発、「AIが競争を一変」)。

図1 ZF社取締役会メンバーのPeter Lake氏
図1 ZF社取締役会メンバーのPeter Lake氏
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 部品メーカーとして自動運転の開発競争をどう勝ち抜いていくか。ZF社Member of the Board of Management(取締役会メンバー)のPeter Lake氏に戦略を聞いた(図1)。同氏はTRW社の出身で、現在はZF社のアクティブ&パッシブ・セーフティー・テクノロジー部門であるZF TRWの営業・事業開発部門を担当している。

ーーメガサプライヤーは皆、「自動運転」を注力する開発テーマに掲げている。ZF社に優位性はあるのか。

 ZF社の最大の強みは、アクチェーターの性能を理解した上でシステムに仕上げられる点だ。ここが他社には真似できないところである。