米太陽光発電産業協会(SEIA)は6月4日、ネバダ州で住宅用太陽光発電による余剰電力の売電(ネットメータリング)を再び可能とする法案(AB405)を同州の議会が可決したことを受け、サンドバル州知事に同法案を承認するよう要請する声明を発表した。

 ネバダ州では2015年末に同州公益事業委員会(PUCN)により、住宅用太陽光発電システムの系統網への接続制限や、余剰電力の売電が経済的に成立しなくなるような一連の制度改正が行われた。

 その結果、ソーラーシティ(SolarCity、Tesla傘下)やサンラン(Sunrun)といった住宅用太陽光発電システムの大手事業者が相次いで撤退する事態となった(関連記事1)(関連記事2)。

 SEIAによると、PUCNがネットメータリングを事実上廃止した2015年末以降、同州では2600件以上の雇用が失われたとしている。

 今回同州議会を通過した法案AB405は、州知事の署名によって法律として成立した場合、従来よりも低い買取価格となるものの、同州におけるネットメータリング制度と住宅用太陽光発電の市場を復活させると期待されている。

 さらに、同法案には、太陽光発電の「権利章典(Bill of Rights)」と言えるような消費者保護の法令が追加されており、米国の太陽光発電業界が強く支持しているという。

 SEIAは、この法案が太陽光発電の利点を完全に認識していない「妥協の産物」としつつも、余剰売電の復活につながるため、プラスと評価している。

 SEIAで国政担当を務めるSean Gallagher副会長は、「ネバダは、失われた何千もの雇用を取り戻す政策に一歩近づいた。現行の制度では太陽光を諦めていた消費者や中小企業が、やっと設置できるようになる。この法律を成立させ、ネバダを太陽光で再び全米トップクラスの州にするよう、サンドバル州知事に要請したい」と述べている。