東北工場における第1号太陽光パネル
東北工場における第1号太陽光パネル
(出所:ソーラーフロンティア)
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東北工場の生産ライン
東北工場の生産ライン
(出所:ソーラーフロンティア)
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 ソーラーフロンティア(東京都港区)は6月1日、宮城県大衡村に建設した年産150MWの東北工場で、商業生産を開始したと発表した。東北工場は同社として4番目の生産拠点となり、CIS化合物型太陽光パネルを生産する。2015年4月から試験的に生産してきた。

 同社では、年産900MWの規模を持つ国富工場(宮崎県国富町)が主力となっている。東北工場は、国富工場に比べて生産規模は小さいが、最新鋭の技術を導入してコスト競争力を飛躍的に高め、今後、海外に展開する生産拠点のモデル工場にする狙いがある(関連記事)。

 東北工場の投資額は、MW当たりで国富工場の3分の2程度に抑える一方で、より一層生産性を高めた量産技術を導入した。新量産ラインでは、MW当たりの生産に要する人員を3分の2程度に削減し、生産時間も3分の1程度に短縮したという。
 
 従来、同社のパネルは両脇に2本の電極を配置していたが、新工場で生産するモデルでは、パネル中央の電極(センターリード)を追加して3本にした。これによってセル(発電素子)の直列接続数が220から110に半減し、定格電圧が下がる。定格電圧を下げたことで、発電所の建設時にパネルの並列接続回路が減り配線工事を低コスト化できる。

 新工場で生産する太陽光パネルは、今夏から宮城県内の顧客に限定して受注を開始し、その後エリアを順次拡大していく予定。パネルの出力向上に継続的に取り組み、フル生産時の出力で180W/枚以上を目指すという。