イタリアの大手エネルギー事業者であるEnel社は5月27日、チリで最大のメガソーラー(大規模太陽光発電所)「Finis Terrae」が完成、系統への連系が完了したと発表した。同社の現地子会社であるEnel Green Power Chile(EGPC)社が建設した。

 同メガソーラーは、首都サンティアゴの北に約1300kmのアントファガスタ(Antofagasta)州にあるマリアエレーナ(María Elena)にある。出力160MWで、年間に400GWhの発電量を見込む。これはチリの家庭約19万8000世帯分の消費電力に相当し、年間19万8000tの温室効果ガス排出量を削減できるという。

 長期の電力購入契約(PPA)を締結しており、発電した電力は同国の北部地域送電網「SING」(Sistema Interconectado del Norte Grande)を介して供給される。

 Enel社は、事業戦略の一環として同メガソーラーの建設プロジェクトでは約2億7000万ドルを投資したという。

 同社は子会社のEGPCを通じて、現在同国内で再エネ発電所の資産ポートフォリオ、880MW以上を運営している。このうち、364MWが風力、430MWが太陽光、92MWが水力となっている。

 さらに、現在300MW分のプロジェクトを建設中であり、完成すると同社の設備容量の合計は約1200MWになるという。この中には、南米で初めてとなる48MWの地熱発電所も含まれている。

 チリは近年、再生可能エネルギーの導入に力を入れており、アントファガスタ州ではEnel社以外にも122MWのメガソーラー(関連記事1)、首都サンティアゴでも100MWのメガソーラーなどが建設されている(関連記事2)。