日本ベネックス(長崎県諫早市)は4月17日、出力400kW、容量400kWhのリチウムイオン蓄電池システムを本社工場に設置し、屋根上太陽光などと連携した運用を開始した。同システムは、電気自動車(EV)に搭載されていた使用済み蓄電池を再使用(リユース)して構成した。

 本社工場のピーク需要時間における受電量の低減や、屋根上太陽光の余剰電力を蓄えることで、エネルギーコストの削減につなげる。加えて、将来的には地域全体の需給バランスを改善するVPP(仮想発電所)サービスへの活用も視野に入れ、関西電力の主導するVPP実証事業に参加する。

 リユース蓄電池システムは、住友商事、富士電機と共同開発した。20フィートのコンテナに日産自動車のEV「LEAF」24台分の使用済み蓄電池を格納した(図1)(図2)。

図1●工場内に「リユース蓄電池システム」を導入した
図1●工場内に「リユース蓄電池システム」を導入した
(出所:日経BP)
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図2●電気自動車の使用済み蓄電池をコンテナに格納した
図2●電気自動車の使用済み蓄電池をコンテナに格納した
(出所:日経BP)
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 住友商事は、今回と同じコンセプトのリユース蓄電池を使ったシステムを、大阪市夢洲と鹿児島県薩摩川内市甑島に設置し、実証的に運用してきた。今回、日本べネックスの本社工場に導入した「リユース蓄電池システム」は、最初の実運用となる(関連記事) 。