東京大学発のベンチャー企業で電気自動車(EV)向け蓄電池制御技術の開発を手掛けるNExT-e Solutions(東京都文京区)と九電みらいエナジー(福岡市)、九州電力の3社は5月27日、電動フォークリフトで使用したリチウムイオン電池を大規模定置用蓄電システムにリユース(再使用)する実証事業を実施すると発表した。

 実証事業では、トヨタ自動車九州(トヨタ九州)と協働して、NExT-eSが独自開発した電池パック(1個あたり約30kWh)をトヨタ九州の宮田工場で稼働する電動フォークリフトに搭載し1年程度使用する。その後、最大140個の電池パックを再使用して出力1MW、容量4MWhの大規模定置用蓄電システムを構築する計画。

 九電みらいエナジーが所有する「大牟田メガソーラー発電所」に設置し、出力制御用に有効活用する。将来の需給調整市場での活用や電力系統安定化などの新たな事業やサービスを検討する。リユース蓄電池の性能やコストを確認し、安価で資源を有効活用できる蓄電池システムの構築を目指す。

実証事業の概要
実証事業の概要
(出所:3社共同のプレスリリース)
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 2019年度中に開始し、期間は2年間の予定。NExT-eSが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」フェーズD(大規模実証研究開発)に応募し採択された(関連記事:住商、EVリユース電池で、メガソーラー電力を平滑化)。