BMS2H-2
BMS2H-2
(出所:共立継器)
[画像のクリックで拡大表示]

 共立継器(長野県下諏訪町)は、太陽光発電システムのDC(直流)1500V・10Aに対応した手動開閉器「BMS2H-2」を5月23日発売した。

 内部に永久磁石を搭載し、接点近傍に強制的に磁界を発生させてアークの駆動力を向上。接点間で発生したアークをアークランナーに転流させ、アークを効果的に引き伸ばすことで遮断性能を高めた。さらに、機器本体の正極・負極側ともに2点切り接点を採用し、各接点にかかる負担を軽減して遮断性能と耐久性能を両立した。

 開閉はレバー式で確実かつ容易なON/OFF操作が可能という。投入および開放状態は、レバー部のON/OFF表示で目視確認できる。機構部は板バネによるデットポイント方式を採用した。確実に投入・開放状態を保持でき、開閉時は操作する力や速度に依存せず一定速度で投入・遮断できる。

 機器の取り付けは、DINレールおよび盤用連接取付板(JIS協約寸法品)に対応した。筐体の材質には、電気絶縁性・耐熱性に優れたフェノール樹脂を採用。また、端子カバーを装着して作業者の充電部への接触事故を防止した。

 太陽光発電システムの直流回路を1500Vにすることで、従来の1000V系システムと比べて送電時の電圧降下ロスを低減してシステム効率が向上する。また、1ストリングあたりの太陽光パネルの直列接続数を増やして接続箱の数や送電ケーブルを削減し、システム全体のコスト削減も期待できる。

 太陽光のDC1500Vシステムは、米国などで先行したが、国内でも1500V設計によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)の計画が出てきている。アンフィニや東芝三菱電機産業システム(TMEIC)など、太陽光パネルやパワーコンディショナー(PCS)などでは、国内メーカーの1500V対応も進んでいる。このほかの周辺設備でも国内メーカーの1500V対応が本格化している(関連記事)。