石炭を2022年までに段階的に廃止、CO2価格は100ユーロ/tに

 化石燃料については、温室効果ガス排出量の点からも抑制される可能性が高い。具体的には、2022年までに石炭火力を段階的に廃止していく、というオランド政権時代の目標を堅持するとみられる。

 運輸・交通においても、欧州ではこれまで大きな比率を占めていたディーゼルエンジン車に対する補助金が見直される可能性が高い。電源で再エネの大量導入を推進すると同時に、モビリティでは電動化を強力に推し進める意向のようだ。

 これらのエネルギー政策を支えるため、温室効果ガス関連の規制も強化される方向である。マクロン新政権は、エネルギー事業者に課せられるCO2の価格を、2020年までに56ユーロ/t、2023年までに100ユーロ/tとする方向である。

 ただ、これらのエネルギー政策は、フランス国民議会による承認を取り付ける必要がある。

 フランスでは6月11日と18日に総選挙が予定されており、マクロン氏が党首を務めるアン・マルシュ!も全選挙区で候補者を立てる意向だが、過半数以上の議席を獲得できるかは微妙な情勢とみられる。

 国民議会を野党が支配する場合、マクロン大統領の掲げるエネルギー政策を、思い通りに推進できない事態も考えられる。