燃費試験の不正に対する4回目の記者会見に臨む三菱自動車会長の益子修氏(中央)、同社長の相川哲郎氏(左)、同副社長の中尾龍吾氏(右)
燃費試験の不正に対する4回目の記者会見に臨む三菱自動車会長の益子修氏(中央)、同社長の相川哲郎氏(左)、同副社長の中尾龍吾氏(右)
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 三菱自動車が現在日本で販売している9車種のうち、燃費試験で不正を行っていなかったのは「ミラージュ」だけ。そんな事実を、同社は2016年5月18日に開催した記者会見で明らかにした。

 また同社は、自主的に販売・生産を停止中の軽自動車4車種(「eKワゴン」「デイズ」「eKスペース」「デイズルークス」、デイズとデイズルークスは日産自動車が販売)に関しても、三菱自動車性能実験部の部長と同管理職社員が子会社の三菱自動車エンジニアリング(MAE)の管理職社員に対して、不適切な指示をしていたことを公表した。具体的には、タイで実施することになっていた走行抵抗値の測定前に、良いデータ(抵抗値の低いデータ)を惰行法によってたくさん取ってくるように指示していたとする。性能実験部の部長と同管理職社員は、惰行法であれば(バラついた測定値の中から)中央値を取らなくてもいいものと思い込んでおり、そうした指示を行ったとしている。正しくは中央値を取らなければならない。

 さらに三菱自動車によれば、性能実験部の部長と同管理職社員は、タイでの測定終了後にMAEの管理職社員から提示された走行抵抗値のデータが惰行法ではなく「高速惰行法」によるものであることや、バラつきの大きい測定法である高速惰行法では低い値(だけ)を取ることは不適切であることを認識しながらも、再試験する時間もなく、MAEの管理職社員から提示されたデータを承認したとする。