ABB(東京都品川区)は、国内のメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けパワーコンディショナー(PCS)として単機で最大1.8MWまで対応できる大容量タイプを発売する。直流(DC)側の入力は1000Vに対応する。
「PVS800」シリーズの「PVS800-57B」で、5月から販売開始する。出力当たりの体積と接地面積の両方でコンパクトになり、現地での設置スペースと輸送コストを削減できる。従来のPVS800シリーズと比較して約50%高いエネルギー密度を実現した。
夜間にDC入力側を切り離すなど、有効電力と無効電力を制御して電力系統の安定化をサポートする機能を標準装備する。
ミラー配置も可能なモジュール式キャビネットを採用し、屋外収納盤やコンテナの設計、接続箱や昇圧変圧器など、BOS(Balance of System)とのレイアウト調整に柔軟に対応する。標準で16個のPVヒューズ付き入力回路を備え、オプションで24個まで拡張可能。各入力回路の電流監視システムも追加できる。
定格出力1700kWの「PVS800-57B-1645kW-C」と、1801kWの「PVS800-57B-1732kW-C」の2つの型式をラインアップした。動作温度範囲は60度(45度以上で出力制限)で、25度で約15%の過負荷能力を持つ。
日本国内のメガソーラー市場は、固定価格買取制度(FIT)の売電単価の低下に伴い、新規案件の大規模化が進んでおり、PCSの大容量化により、出力当たりの設備コストを下げる動きが活発になっている。すでに東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、2.5MW機を国内向けに投入しており、こちらはDC1500V入力に対応している(関連記事)。