スズキ会長の鈴木修氏
図 スズキ会長の鈴木修氏
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 スズキの鈴木修会長は2016年5月10日に開催した2015年度の連結決算会見で、「このままでは軽自動車は、白物家電の二の舞になる」と語り、これまでの販売方法を見直したことを明らかにした(図)。

 鈴木氏が言う“白物家電の二の舞”とは、シェア(市場占有率)競争を勝ち抜くために過当な値引きなどを行った結果、白物家電のように機能面や品質面で差がなくなる(コモディティー化する)ことを指す。こうした事態を避けるために同社は昨年10月から、「1台1台を大切に売る販売方法に戻した」(同氏)と言う。

 2015年度の軽自動車市場は、前年度に比べて16.6%減少の181万3328台だった。2016年度の市場について鈴木氏は、「2017年4月に予定されている消費増税前の駆け込み需要の影響を除くと、160万~180万台にとどまるだろう」と見る。2016年度は「シェアにこだわらない」(同氏)としながらも、30%のシェアは維持したい考えだ。