北九州市沖に設置された次世代浮体式風力発電システム実証機
北九州市沖に設置された次世代浮体式風力発電システム実証機
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4月10日、「浮体式洋上風力発電技術ガイドブック」を公開した。浮体式洋上風力発電施設を設計する上で必要なガイドラインやJIS規格(日本工業規格)などを実務的に参照でき、技術的な解決策を体系的に紹介する資料としても活用できる。

 同ガイドブックは、NEDOが北九州市沖で実施中の次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究の設計・製作に関する成果、浮体式洋上風力発電施設技術基準、浮体式洋上風力発電設備に関するガイドラインなど、国内外の最新の知見を取りまとめた。NEDOのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 浮体式洋上風力発電を設置可能な水深50m以上の海域のエネルギーポテンシャルは、着床式洋上風力発電施設の適地とされる水深50m以下の海域を大きく上回ることから、将来的には日本の再生可能エネルギーの有望な産出地になり得ると期待されている。

 その一方で、同発電は洋上に浮かぶ構造物であり、風が風車に与える荷重に加えて、波や海流、潮流などの流れが浮体に与える荷重も影響する。また、浮体の上に風車を設置するため浮体の動揺を制御する技術が求められるなど、実用化にはさまざまな技術的課題を解決する必要があるという。