ブロックチェーン技術を活用した電力融通システムの実証概要
ブロックチェーン技術を活用した電力融通システムの実証概要
(出所:中国電力)
[画像のクリックで拡大表示]

 中国電力は4月25日、日本アイ・ビー・エム(日本IBM、東京都中央区)と共同で、ブロックチェーン技術を活用し、再生可能エネルギーで発電された電気を顧客間で融通するシステムの実証試験を開始したと発表した。期間は7月までの予定。

 住宅太陽光の一部では、固定価格買取制度(FIT)の買取期間が今年11月以降、順次終了することに伴い、住宅居住者は余剰電力を自ら選択した事業者に売電するようになる。また、再エネなどの分散型電源や蓄電池の普及により、将来的には個人や企業間で電力取引が行われる可能性があることから、取引記録の信頼性、システムの可用性などに優れるブロックチェーン技術を活用したP2P取引の実証実験を行う。

 ビジネス向けのブロックチェーン基盤技術を活用したシステムをIBMクラウド上に構築。太陽光発電による再エネ電気を供給する顧客と、購入を希望する顧客をマッチングする模擬的な取引を実施する。30分単位で高値の買い札から順に約定し、供給側の約定量は供給量に比例して配分する。取引結果はブロックチェーン上に記録する。

 模擬データには、実際に計量された太陽光発電量および電力消費量を使用し、ブロックチェーン技術の適応性や新たなサービスの成立性を検証する。ブロックチェーン技術の適用に関する知見を得るとともに、デジタル化技術の活用で電気事業のイノベーションや地域の課題解決につながる新たなビジネスモデルを検討していく。