一軸の追尾式システムを採用
一軸の追尾式システムを採用
(出所:日経BP)
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 太陽光発電向け追尾型システムメーカーの米NEXTracker社は5月2日、米大陸で最大となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)に同社の1軸追尾システムの供給を開始したと発表した。メキシコ北部で建設中のメガソーラーで、出力は750M以上という。

 2018年中頃までの稼働を見込む。NEXTracker社は、これまでに200MW分以上の部材を現地に供給した。

 年間に約1700GWhの発電量となるよう設計されており、78万t以上の温室効果ガス排出量を抑制できるという。ニューヨークのマンハッタン島の南側とほぼ同じ広さとなる8平方マイル(約21km2)以上の面積の用地を使用している。

 長期間の電力購入契約(PPA)に基づき全量を売電し、メキシコの約130万世帯が消費する電力を供給する。

 メキシコの太陽光発電市場は、今後2~3年で急速に成長すると見込まれている。

 2014年のエネルギー改革を経て、メキシコ政府のエネルギー省は最近、2回目となる再生可能エネルギーの入札を行った。これにより、4GW以上の太陽光発電プロジェクトを発電事業者に発注したという。

 2017~18年にメキシコで建設予定のメガソーラープロジェクトでは、発電量の向上が見込めることや、用地の条件が良いことなどから、ほとんどの案件が追尾式を採用するとみられる。メキシコでは国土の約85%で、太陽光発電に適した日照量が得られるという。

 NEXTracker社のDan Shugar CEOは、「メキシコは、インドやオーストラリア、中東とともに、太陽光などの再エネが今後2~3年で大きく成長すると期待できる市場の一つだ。拡大する太陽光発電の多くで1軸追尾技術が採用されるだろう」と述べている。

 同社は、今回のプロジェクトで使用する追尾システムの機構や電気回路などの部品を現地で製造するという。追尾システムの心臓部となる駆動系や電気回路は完全に密閉され、砂やホコリの侵入を防ぐ。

 砂漠気候であるメキシコ北部では、追尾式太陽光発電システムの信頼性を維持するうえで、こうした密封性は極めて重要としている。

 また、今回のプロジェクトで同社は、新しく開発したスキャダ(SCADA)システムを採用し、追尾システムの制御やデータ収集を行うという。