竣工式の様子
竣工式の様子
(出所:京セラTCLソーラー)
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米子のゴルフ場跡を活用
米子のゴルフ場跡を活用
(出所:京セラTCLソーラー)
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 東京センチュリーと京セラが共同出資している太陽光発電事業者、京セラTCLソーラー(東京都千代田区)は4月27日、鳥取県米子市において、出力約29.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「鳥取・米子メガソーラー発電所」の竣工式を開催したと発表した。

 2015年9月に着工し、2018年4月2日に運転を開始していた。発電電力は、中国電力に売電している。

 年間発電量は、一般家庭約1万2000世帯分の消費電力に相当する、約3608万kWhを見込んでいる。

 ゴルフ場跡地などからなる面積約120万m2の土地を活用し、京セラ製の多結晶シリコン型太陽光パネルを10万8504枚並べた。新たに林地開発許可を取得し、8つの工区に分け、起伏のあったゴルフコースを本格的に造成した。

 パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー製を採用した。設計・施工はテス・エンジニアリング(大阪市淀川区)が担当した。

 事業用地は、両社が設立した特定目的会社(SPC)が購入し、発電事業者である京セラTCLソーラーに貸している。この土地に関するSPCには、タイの太陽光発電大手のSPCG社も出資している。

 SPCG社は2010年以降、タイ国内で多くのメガソーラーを運営している。SPCG社のメガソーラーの多くに、京セラが太陽光パネルを供給していることで関係を深め、今回は土地に関するSPCに出資した。

 さらに、長崎県佐世保市の宇久島における合計出力約480MWの営農型太陽光発電プロジェクトでも、枠組みの変更に伴って、元々事業化の検討に参画していた京セラに加え、SPCG社も参画することが決まっている(関連ニュース:宇久島・480MWのメガソーラー、ようやく着工へ! タイ企業が出資も)。東京センチュリーも加わっている。

 今回の米子のメガソーラーでは、施工中から、カラスの大群が飛来することに悩まされた。そこで、カラス対策として、鷹匠に依頼してタカを定期的に飛ばすことで、「カラスの追い払い」を試み、石落としなどの被害を未然に防ぐことに成功した(関連コラム:500羽のカラスをタカで追い払う、鷹匠がメガソーラーで大活躍)。

 米子の出力約29MWの稼働によって、京セラTCLソーラーが稼働を開始した太陽光発電所は63カ所・合計出力約215MWに拡大した。