VPPを活用した「防災環境配慮型エネルギーマネジメント」のイメージ
VPPを活用した「防災環境配慮型エネルギーマネジメント」のイメージ
(出所:東北電力)
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 仙台市と東北電力は4月24日、VPP(バーチャル・パワー・プラント:仮想発電所)技術を活用し、太陽光発電や蓄電池を最適に制御し、地域の防災を強化したり、環境負荷を低減したりする取り組みを始めると発表した。

 具体的には、需給バランスの調整、太陽光発電の余剰電力の有効活用、蓄電池の長寿命化を実現する「防災環境配慮型エネルギーマネジメント」の構築に向け検証する。

 仙台市では、東日本大震災の経験を踏まえ、災害時の電源確保やCO2排出量の削減を目的に市内のすべての小中学校を含む指定避難所などに太陽光発電設備と蓄電池を導入している。また、東北電力は、IoTやAIなどの新たな情報技術の進展による事業環境の変化に対応し、顧客サービスや事業領域の拡大につながる新たなビジネスモデル構築に向けて「VPP実証プロジェクト」を4月から開始した。

 今回の取り組みでは、仙台市内の指定避難所のうち25カ所を対象に、東北電力のVPP実証プロジェクトのシステムを用いて太陽光の発電電力量や蓄電池の残量などを常時監視するとともに、防災機能を損なうことなく気象状況や電力の使用状況などを踏まえながら太陽光や蓄電池を最適制御する。指定避難所には、1カ所あたり出力10kW程度の太陽光発電設備と容量15kWh程度の蓄電池が設置される。

 最適制御により集約したリソース(電力)については、需給バランスを調整する機能としての可能性を検証する。また、太陽光の余剰電力の有効活用や蓄電池の長寿命化などを目的とした「防災環境配慮型エネルギーマネジメント」の構築に向けて検証する。検証期間は、2021年3月31日までの3年程度の予定。