P5(ピーファイブ)は、がんの遺伝子解析結果や、関連する治験情報をレポートにまとめ、医師向けに提供するプラットフォームを構築した(プレスリリース)。2016年5月から「P5がんゲノムレポート」と名付けたサービスで提供する。最初の実施施設として、岡山大学病院での導入を予定している。

 P5はソニーやエムスリーの共同出資会社で、ゲノムサービスプラットフォーム事業を手掛ける。今回のサービスでは、患者のがん組織における複数の遺伝子変異を解析し、解析結果とともに、効果を示す可能性のある薬剤やその遺伝子変異を持つがんに適した国内外の治験情報をまとめてレポートする。乳がんや大腸がん、肺がん、肝がんなどを含む固形がん全般を対象とする。

P5がんゲノムレポートの概要
P5がんゲノムレポートの概要
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 米国国立がん研究所(NCI)を中心とする世界最大規模のがん臨床研究「NCI-MATCH」で検証された検査を基に構築した。P5は病院から検査を受託し、提携する国内施設が持つ次世代シーケンサー(NGS)で患者のがん組織を解析。数十以上のがん関連遺伝子の配列を調べ、解析結果を基にがんの発症に関わると想定される遺伝子変異を特定する。

 医師に提出するレポートにまとめる薬剤や治験に関する情報には、今回のサービス向けに用意した治験情報データベースを使う。WHO(世界保健機関)が運用する「ICTRP」、NIH(アメリカ国立衛生研究所)が運用する「ClinicalTrials.gov」の情報を統合した治験情報に加え、製薬企業が提供する治験情報を集積した包括的なデータベースという。