米APS社の「Paloma」メガソーラー
米APS社の「Paloma」メガソーラー
(出典: APS)
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 米国アリゾナ州の大手電力事業者であるArizona Public Service(APS)社は19日、同社の太陽光発電事業である「AZ Sun」プログラムが今年で5周年を迎えたと発表した。

 APS社は、同プログラムが開始以来多くの成功を収めてきたという。具体的には、アリゾナ州を全米における太陽光発電のリーダーとして位置付け、同社の顧客に太陽光で発電した電力をより多く供給できたとしている。

 同社は最初のメガソーラー(大規模太陽光発電所)を2011年に完成し稼働を開始した。これまでに累計100万枚以上の太陽光パネルを設置し、10億kWh以上の電力を生み出してきたという。

 同社は現在9カ所のメガソーラーを保有し、設備容量の合計は170MWとなる()。発電所の設計や建設は、独立系の開発事業者が担当している。メガソーラーの建設中には、延べ2000人に近い雇用を創出した。

 太陽光発電、節水、温室効果ガス排出の回避などで費用対効果や効率が最も良いのは、「電力事業者が運営するメガソーラー(grid-scale solar)」だとAPS社は主張している。規模の経済が働くことと、同社メガソーラー施設の大半で追尾式架台を採用しているからである。

 同社の上級副社長(EVP)兼最高執行責任者(COO)であるMark Schiavoni氏は「当社のピーク電力需要は、瞬間的に7000MW以上となる。太陽光ではその一部しかカバーできないが、地元アリゾナ州で生み出す電力として掛け替えのないものだ」と、同社が保有・運営するメガソーラーの意義を強調している。

 アリゾナ州は晴天日数が全米で最も多いことで知られている。アリゾナ州ユマ(Yuma)の晴天率は90%、州都で最大の都市圏であるフェニックス(Phoenix)や第2の都市・ツーソン(Tucson)でも85%と晴天率が高く、太陽光発電の投資対効果が高い。

名称 稼働年 設備容量 パネル枚数 デベロッパー
Paloma 2011 17 MW 279,720 First Solar
Cotton Center 2011 17 MW 93,072 Solon
Hyder I 2012 16 MW 69,770 SunEdison
Chino Valley 2012 19 MW 77,463 SunEdison
Foothills 2013 35 MW 182,400 AMEC
Hyder II 2013 14 MW 70,720 McCarthy
Gila Bend 2014 32 MW 171,520 Black & Veatch
Desert Star 2014 10 MW 50,797 McCarthy
Luke AFB 2015 10 MW 50,797 McCarthy
合計 170 MW 1,046,259
表 米APS社が保有・運営するメガソーラーの一覧