新潟市と東北電力は4月17日、VPP(仮想発電所)技術の活用による再生可能エネルギーの有効利用について連携して取り組むと発表した。東北電力がこれまでのVPP実証プロジェクトで得られたノウハウなどを用いて、新潟市の保有する太陽光発電設備と蓄電池を遠隔監視しつつ最適に制御することで、環境負荷の抑制や地域の防災機能を強化する実証事業を行う。

 新潟市は「田園と都市が織りなす、環境健康都市」を目指し、再エネ導入や省エネとともに都市全体での効率的なエネルギー利用を推進している。また、災害時の電源確保として、防災拠点となる市内小学校などに太陽光発電設備と蓄電池を設置している。

 また、東北電力は、2018年4月にVPP実証プロジェクトを開始し、公共施設に設置された自治体保有の太陽光発電設備と蓄電池をエネルギーソースとして活用する実証実験に取り組んでいる。2019年2月には新潟県との間で、VPP実証プロジェクトを展開する包括連携協定を締結した。

 今回の実証事業では、太陽光発電(1カ所あたり10kW)と蓄電池(同15kWh)が設置される新潟市内の小中学校5カ所を対象に、東北電力のVPP実証プロジェクトのシステムを用いて、太陽光発電量や蓄電池残量を常時監視する。また、防災機能を損なうことなく、各学校の電力使用状況などを踏まえて、太陽光発電設備や蓄電池を最適制御する。

 こうした制御により集約した電力が、需給バランスの調整機能として活用できるか否かなどを検証する。また、太陽光発電の余剰電力の有効活用、設備管理の効率化、蓄電池の長寿命化についても検証する。事業期間は、2021年3月31日までの約2年間。

実証事業の概要
実証事業の概要
(出所:東北電力)
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