メガソーラーに容量1.2MWhの大型蓄電池を併設 
メガソーラーに容量1.2MWhの大型蓄電池を併設 
(出所:NEC)
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将来の九州電力による出力抑制に対応
将来の九州電力による出力抑制に対応
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 ウェブ関連サービスなどを手掛けるコロン(鹿児島市)は、大型蓄電池を併設したメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。連系出力約2MW、太陽光パネルの設置容量約2.5MWのメガソーラーに容量1.2MWhの大型蓄電池を併設し、連係して制御する。

 メガソーラーは、熊本市にあり、出力500kWの発電所4カ所で構成されている。3月29日にNECが、出力500kW・容量1.2MWhの蓄電システムを納入した。太陽光の発電量が電力系統の受入可能量を上回った場合に、今回導入した蓄電システムに充電する。

 九州電力は、2014年9月に接続申し込みの保留を発表し、その後、太陽光発電の接続と契約申し込みが「30日等出力制御枠(接続可能量)」に到達したと公表した。そのため買取価格40円/kWh、36円/kWh(税抜き)の設備認定を取得した案件でも、接続契約が遅れた場合、無制限・無補償の出力抑制が接続契約の条件となるケースが出てきている。

 今回、コロンの建設したメガソーラーもそうしたケースに該当し、買取価格40円/kWhで、無制限・無補償の出力抑制が系統接続の条件となった。そこで、蓄電池を併設することで、九電から出力抑制の要請があった場合、その時間帯の発電電力を充電しておき、夜間などに放電することで、売電ロスを減らすといった運転を試みる。

 また、同発電所は、連系出力を超える太陽光パネル容量を設置する「過積載」を採用している。そのため日中に連系出力を超えた発電量を生み出し、その分を蓄電池に充電するという運用も技術的に可能になる。ただし、現在の固定価格買取制度(FIT)の運用では、こうした蓄電池の運用は認められていない。コロンでは、将来の制度変更を睨み、こうした運用手法の可能性に関し、NECと協力して検証することも検討している。

 「蓄電池を併設したメガソーラーを率先して建設し、様々な運用手法を検証することで、太陽光が大量導入される九州エリアの系統安定化に貢献していきたい」(コロン)という。

 今回導入した蓄電システムは、NECの100%子会社である米NECエナジーソリューションズ製を採用した。同社は、世界11カ国に合計120MW以上の蓄電システムを納入した実績がある。太陽光パネルは、カナディアンソーラー製の単結晶シリコン型(270W/枚)、太陽光発電所のパワーコンディショナー(PCS)は日新電機製を採用した。

 また、発電所の提案、設計、施工はNECの子会社であるNECフィールディングが担当し運用監視、O&Mサービスとトータルサポートする。

 コロンは、熊本市のほか、鹿児島県で3カ所のメガソーラーを開発、運用している。薩摩半島にある南九州市の出力1.9MWと同1.5MW、南さつま市の同2.3MWである。