太陽光・バイオマス発電など、再生可能エネルギー事業を手掛けるe-flat(イーフラット、東京都中央区)は、愛媛県松山市に出力3.6MWのソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)を開発し、4月5日に竣工式を開催した。太陽光パネルの下では、仏壇などに備える常緑小高木である「シキミ(樒)」を栽培する。

 同市神次郎町の約8haの耕作放棄地に、農地の一時転用制度を利用し、隣接した2つの太陽光発電所を建設した。両発電所は同規模で、太陽光パネル・出力1.8MW、連系出力・1.5MWとなり、合計のパネル出力は3.6MW。営農型太陽光発電所としては、四国で最大級になると思われる。

8haもの耕作放棄地を一時転用した
8haもの耕作放棄地を一時転用した
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 発電事業の主体は、1つのサイトがe-flat、もう1つサイトが新居浜鉄工所(愛媛県新居浜市)のグループ会社で、両サイトでの発電事業に対し、伊予銀行が融資した。総事業費は約12億円。固定価格買取制度(FIT)により、36円/kWhで四国電力に売電する。

 また、営農の主体は、e-flatグループのe-farm(イーファーム、茨城県土浦市)となる。e-farmが事業用地を購入して所有し、太陽光パネルの下には昨年12月に約2万3000本のシキミの苗木を定植した。農地面積は約5.5haになる。パネルによる遮光率は5割以上になるが、シキミは影が多くなることで色づきが良くなり、品質が向上するという。今後、4~5年後に地元のJAを通じて出荷する予定で、収穫量は約47tを見込んでいる。

仏壇などに備えるシキミの苗を植えた
仏壇などに備えるシキミの苗を植えた
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]