米国カリフォルニア州の水素ステーションの改装イメージ
米国カリフォルニア州の水素ステーションの改装イメージ
(出所:岩谷産業)
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 岩谷産業は4月3日、同社の米国現地法人Iwatani Corporation of America(米国岩谷)がカリフォルニア州で独Messarが運営する水素ステーション4カ所を買収し、運営を開始したと発表した。米国内における日系企業の水素ステーション運営は初めてという。

 米国岩谷が運営する水素ステーションは、ロサンゼルス近郊(ガソリンスタンド併設、供給能力240kg/日)、サクラメント(ガソリンスタンド併設、供給能力240kg/日)、サンフランシスコ近郊(ガソリンスタンド併設、供給能力350kg/日)、サンフランシスコ近郊(単独、供給能力350kg/日)の4カ所。水素の供給形態は液化水素になる。

 岩谷は、日本国内で23カ所の水素ステーションを運営しており、今回のカリフォルニア州での運営参入により米国での水素ステーション運営のノウハウも蓄積し、日米での整備を進めていく。今回のステーションで提供する水素は、化石燃料由来になるが、今後は、再生可能エネルギーを活用した「CO2 フリー水素」についても、北米での製造・供給体制の構築を検討していくとしている。

 同州では、燃料電池車(FCV)の普及促進に向けた取り組み(3年間無料で水素供給、フリーウェイ優先レーン走行可能など)により、2018年12月1日現在で日本の約2倍となる5658台のFCVが普及している。その一方で商用水素ステーションは39カ所と日本の約3分の1にとどまり、また水素ステーションへの水素の安定供給も課題となっている。