中部電力は3月30日、「再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みについて」と題したリリースを公表し、経済産業省・資源エネルギー庁の進める「日本版コネクト&マネージ(C&M)」に関する取り組み状況と今後の方針を明らかにした。

 「C&M」とは、再エネ電源を電力系統にまず接続し、潮流の混雑状況によって送電を制限するなどの考え方を指す。エネ庁は、「日本版」として「想定潮流の合理化(適正化)」、「N-1電制」、「ノンファーム型接続」の3手法を計画。運用の始まった「想定潮流の合理化」に続き、2018年度上期には「N-1電制」の導入を目指している(関連記事)。

 「想定潮流の適正化」とは、送電線への接続可否を判断する場合の「想定潮流」の算定を、全電源が最大出力で稼働する前提ではなく実際の稼働状況に近い想定で評価すること。「N-1電制」とは、送変電設備で故障が起きた時に送電線への接続を瞬時に制限することを条件に、緊急用に空けておいた容量の一部を新規電源向けに活用すること。

「N-1電制」の仕組みイメージ
「N-1電制」の仕組みイメージ
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 中電では、「これまで再エネ導入拡大に向け、既設設備を最大限活用するため、想定潮流の適正化とN-1電制の適用に取り組んできた」としつつ、「2018年4月1日以降に契約の締結が見込まれる電源の系統連系に対して、想定潮流の適正化をより精緻に実施する」との考えを示した。

 中電によると、想定潮流については、従来、全電源が最大出力で稼働することを基本に、火力発電は需要規模に応じた稼働状況を踏まえて想定していた。これに対し、4月1日以降、天候により出力変動する風力や太陽光についても、実際の稼働実績を考慮するとしている。

 また、「系統空容量のマッピング」の表示方法も変更する。同マッピングは、特別高圧以上の送変電設備に関する熱容量面での空容量を示したもの。従来、送電線などの故障時における電源制限の制約なしでも空容量がある場合、黒または黄色で表示してきた。4月2日以降は、送電線などの故障時における電源制限を条件に算定した結果、空容量がある場合にも、黒または黄色で表示するという。

日本版C&Mの3つの手法の概要
日本版C&Mの3つの手法の概要
(出所:電力広域的運営推進機関)
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