東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、電力会社の出力制御指令に従って太陽光発電所の出力をリアルタイムに抑制する機能を同社製品群に新たに追加し、九州電力、四国電力、沖縄電力における出力制御への対応を完了したと発表した。

 九州電力は、2015年度に実証事業(次世代双方向通信出力制御緊急実証事業)を通じて、リアルタイムの出力制御技術を確立してきた。

 同事業では、出力電圧66kV以上の特別高圧送電線への連系案件と、66kV未満の高圧配電線への連系案件に分けて実証したが、両分野の実証に参画したパワーコンディショナー(PCS)メーカーはTMEICだけだったという。同社は、実証による知見と社内に蓄積したシステム技術を融合させることで、66kV以上と66kV未満の連系案件双方をカバーする制御技術を確立したという。

 同社の制御システムは、すでに出力制御の始まった九州電力のほか、出力制御の準備段階に入った四国電力と沖縄電力にも適用可能で、今後、その他の電力会社の出力制御にも順次、対応していくという。

各電力会社の状況とTMEIC の対応実績
各電力会社の状況とTMEIC の対応実績
(出所:TMEIC)
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 具体的には、66kV以上では、出力制御機能を「メインサイトコントローラ(MSC)」に組み込むことで対応する。MSCとは、発電所の全PCSを集中制御し、連系出力を最適に制御する上位システム。これは全PCSの合計出力を対象とするため、サイト内で日射が不均衡な場合などに発電ロスを低減し、発電量を最大化できるという。こうした技術は、出力制御にも効果的に対応できるという。

66kV 以上の構成例
66kV 以上の構成例
(出所:TMEIC)
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