ソフトバンクグループは、中国の国家電網公司(北京市)、韓国電力公社(KEPCO、羅州市)、ロシア・グリッド(ROSSETI、モスクワ州)と電力系統網の国際連系を推進するための調査、企画立案を目的とした覚書を2016年3月30日に締結したと発表した。
今回の覚書に基づき、4社は北東アジアでの電力網の国際連系に関する調査を実施し、事業性を評価する。加えて、電力網の国際連系の実現に向けた各国政府によるサポートの要請や事業体制の企画も検討する。
ソフトバンクグループは、東日本大震災での長期間の停電を受け、2011年9月に「アジアスーパーグリッド構想」を発表した。日本やモンゴル、インド、中国、東南アジアなどの電力系統網を海底ケーブルなどを使ってつなぎ、国境を越えて広域連系するもの。モンゴルやインドなどで開発した風力や太陽光発電の電力をアジア各国で利用することも想定している。
同ビジョンの一環として2012年3月に、モンゴルで風力発電事業を開始するため、同国の投資会社Newcom社や韓国電力公社と建設事業の推進で基本合意した。ソフトバンクグループのSBエナジーが、Newcom社と合弁会社クリーン・エナジー・アジアを設立した。クリーン・エナジー・アジアは南ゴビ砂漠に計 22万haの土地を確保し、7GW以上の風力発電を目指して事業性評価を開始している。
また、ソフトバンクグループは、2015年6月にインドで再生可能エネルギー供給を促進する合弁会社SBG Cleantech Limited設立した。同年12月には、インド政府による出力350MWの太陽光発電プロジェクトを落札している。
今回、ソフトバンクグループが国家電網、KEPCO、ROSSETIと覚書を締結したのも、こうしたアジアスーパーグリッド構想を進める一環。これまで同構想の調査に参加していなかった中国の国家電網公司とロシアのROSSETIが加わったことで、プロジェクト評価のエリアがより広がることになる。