米The MathWorks社は、「MATLAB/Simulink」製品ファミリーをRelease 2016aに更改した(日本語版ニュースリリース)。R2016aでは2つの製品が追加され、81製品に更改があった。

図1●Live Editorの機能(一部)と実行画面イメージ MathWorksのスライド。
図1●Live Editorの機能(一部)と実行画面イメージ MathWorksのスライド。
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図2●App Designerの機能と作成したUIの例など MathWorksのスライド。
図2●App Designerの機能と作成したUIの例など MathWorksのスライド。
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 新たに追加されたのは、「MATLAB Live Editor」と「MATLAB App Designer」である。前者のLive Editorを使うと、例えば、MATLABで開発中のコードを部分的に実行できるようになる(図1)。ユーザーが設定したセクション単位に実行可能である。これまでは一通りコードを開発してから実行する必要があった。

 セクション単位で実行し、その結果をビジュアライズして確認することができる。「例えば、パラメーターを最適化するなど、試行錯誤しながらのプログラミングが容易になり、作業効率が向上する」(The MathWorks GK アプリケーションエンジニアリング部(テクニカルコンピューティング)部長の大谷卓也氏)という。

 また、Live Editorを使うと、コードの中にコメントを入れられる。「これでプログラムを仕様書としても使えるようになる」(同氏)。さらに、実行結果をコードと同じファイルに入れることができる。「すなわち、Live Editorを使うと、実行可能な論文を作ることが可能になる」(同氏)。なお、MATLABで作ったファイルの拡張子は「m」だったが、Live Editorを使うと「mlx」になる。

 2つめの新製品のApp Designerを使うと、これまでよりも使いやすいユーザーインターフェース(UI)を開発対象のアプリケーション向けに作ることができるという(図2)。MATLAB製品には以前からUIを作る機能が用意されていたが、新製品を使うことで「よりモダンなUIができる」(大谷氏)とする。例えば、新製品では「ノブ」が使えるようになった。また、UI作成ツールが出力するMATLABコードが、オブジェクト(ノブやスイッチなど)ごとに整理されるようになり、以前よりも可読性が上がったという。