日本アクティビティ協会は、デジタルシニアアクティビティ定着に向けた取り組みとして、PlayStation 4用のゲームソフトを使用した「健康ゲーム指導士養成講座」を2018年3月23日にプレイケアセンター横浜青葉で実施した。健康寿命や社会参加寿命の延伸のために活動できる人材を、ゲームを通じて育成することが目的。施設スタッフや介護士、ゲーム専門学生など25人が参加した。
当日は、シニアに対するゲームの効果や運営方法を学ぶとともに、実際に施設に通うシニアとのアクティビティ体験を実践。レースゲーム『グランツーリスモSPORT』やリズムゲーム『太鼓の達人 セッションでドドンがドン!』を楽しむシニアを、健康ゲーム指導士としてサポートした。
日本のシニア施設では、男性シニアの参加不足が顕著な課題として出ており、日本アクティビティ協会の調査では、スタッフの61.1%が男性向けアクティビティに困っており、87.8%が今後強化したいと考えている。今回のゲームを使用したアクティビティ体験ではシニア男性も参加し、積極的に周囲の参加者と交流を楽しんでいたという。
別のコミュニティ施設から受講した介護士は、「男性が参加しやすいアクティビティは囲碁や麻雀等に限られるが、テレビゲームを使ったアクティビティは男女ともに様々な年代で一緒に楽しめる。今後の導入に向けて参考にしたい」と話す。同じく講座に参加したゲーム専門学生は、「今回の取り組みは、プロゲーマーを目指す以外の新しい働き方の可能性にもなり、参加して本当に良かった。また、ゲーム専門学生もゲームが上手なだけではなく、このような取り組みを通じて社交性や人間性が重要になる」と、感じた手ごたえについて語った。
「健康ゲーム指導士」育成に協力する東京アニメ・声優専門学校 先生の香川広憲氏は、協力の背景を「今回の取り組みは、プロゲーマーを目指す学生が自分の特技を生かして社会貢献の可能性を広げる機会になる。社会人として社会に貢献することの大切さを実践で学べるプロジェクトであり、健康ゲーム指導士はプロゲーマー引退後のセカンドキャリアとしても非常に大切」とした。