図1 実験結果を発表するロボットタクシー社長の中島宏氏
図1 実験結果を発表するロボットタクシー社長の中島宏氏
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図2 クルマがステアリングを自動操舵する様子
図2 クルマがステアリングを自動操舵する様子
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図3 公道実験の様子
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 DeNAとZMPのジョイントベンチャーであるロボットタクシーは2016年3月25日、神奈川県藤沢市で実施していた自動運転車の公道実験の結果を発表した。実証実験には応募の中から選出された10組の近隣住民が参加し、買い物などの用途に自動運転車を利用した。一般の市民が参加する自動運転の公道実験としては「おそらく国内で初めての取り組み」(同社)という。2016年2月29日~3月11日の平日(10時~15時)の間に20回運行し、延べ51人が利用した。自動運転で計27.7km走行したが、交通事故やヒヤリ・ハットはなかったという。

 「市民が参加する初めての実証実験ではあったが、やってみれば問題なくできた」――。ロボットタクシー社長の中島宏氏は会見の席でこう語る(図1)。「我々が前例を作ることで、今後は他社も実証に取り組みやすくなるだろう」と実験の意義を強調した。

 実証実験では、自動運転車が藤沢市西部にある「湘南ライフタウン」の「中央けやき通り」を走行した(図2、3)。「北部バスロータリー」と「イオン藤沢店」を結ぶ、最大2.4kmのルートを走行する。ルートは複数の交差点がある片側2車線の道路だ。パソコン(PC)やスマートフォンで配車の予約をすると、自動運転車が住居とイオン藤沢店の間を送迎する。クルマは中央けやき通りの左車線を走行し、送迎の際に中央けやき通り以外の道路を走行するときはスタッフの運転者が手動で運転した。自動走行時の最高車速は40km/hに制限したという。