フロスト&サリバンは、2018年のアジア太平洋地域のヘルスケア市場における5大トレンドを発表した。すなわち、(1)新興市場でのニーズ増大により病院設立が拡大へ、(2)民間の医療保険会社によるテクノロジーを活用した革新的な保険サービスの提供、(3)医療ツーリズムの中国とインドからの患者数は2018年に合計1億7000万人に到達の見込み、(4)ASEAN地域の調和統合、(5)予防医療・ウェルネスの取り組みでは消費者への啓蒙活動と個別化が重要に、の5つである。

 このうち(1)の「新興市場でのニーズ増大により病院設立が拡大へ」については、プライマリケアと専門医療を統合した診療所に加えて、医療ネットワークを活用した病院の設立が、パートナーシップやベンチャー投資を通じて進むことが予測されるという。病院以外で医療を提供する拠点の拡大に加えて、ユニバーサルヘルスケアへのアクセスの実現や、医療保険会社によるウェルネスと早期介入の推進に向けた取り組みの強化が今後期待されるとしている。

 (2)の「民間の医療保険会社によるテクノロジーを活用した革新的な保険サービスの提供」は、インシュアテック(InsurTech)と呼ばれるテクノロジーを活用した革新的な保険サービスやソリューションの領域である。この領域への投資を通じて、民間の医療保険会社が市場拡大を試みる動きが活発になるという。

 (3)の「医療ツーリズムの中国とインドからの患者数は2018年に合計1億7000万人に到達の見込み」については、世界でトップ10の医療ツーリズムの訪問地のうちの6都市を抱えるアジア地域の医療ツーリズム市場は、2018年に前年比15%増で成長すると予測する。術前・術後のフォローアップのための低侵襲手術やバーチャル診療におけるテクノロジー活用の拡大によって、医療ツーリズム市場のさらなる成長が見込まれるという。