熊本県で平成25年度から行われていた超小型モビリティ実証実験が終了した。ホンダが開発した2人乗りの小型EV「MC-β」を公用車や市民への貸し出し車、観光用レンタカーとして利用するプロジェクトである。
2016年3月16日に開かれた熊本県小型電動モビリティ導入促進協議会の会合では、3年間の実証実験を振り返り、MC-βの使い勝手などに対する利用者の感想や、実施者らによる評価が報告された。
またホンダからは、さいたま市や沖縄県宮古島での実証実験における個人モニターの分析データも発表された。以下、この会議の出席者から報告された意見を箇条書きにまとめてみた。
実証実験でわかったこと――メリット
■訪問サービスに有用
熊本市周辺では訪問介護サービスに利用された。少人数での住宅地への移動が多く、静かで小さな車体がマッチした。
■交通違反の減少
訪問介護サービスでは相手先の駐車スペースが小さく、通行障害を招いたり交通違反を引き起こすことが以前から課題となっていた。これらの問題がほとんどなくなった。
■エコで経済的な移動手段
クルマ社会の熊本県では、小型EVが環境にやさしく経済的な個人用の移動手段となる可能性があることがわかった。
■個人事業主の活動に貢献
仕入先や納品先など行き先が決まっていて、走行距離があらかじめ計算できる場合は、有効な移動手段となる。距離や荷物積載量次第ではあるが、経済性が高く利用価値が高い。
■観光振興に貢献
鉄道の駅からの観光を楽しむ手軽な移動手段としての有用性が示された。