弘前大学 副理事(研究担当)・教授/COI研究機構(医学研究科)戦略統括の村下公一氏
弘前大学 副理事(研究担当)・教授/COI研究機構(医学研究科)戦略統括の村下公一氏
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 弘前大学 副理事(研究担当)・教授/COI研究機構(医学研究科)戦略統括の村下公一氏は、「ヘルスケア&スポーツ 街づくりEXPO 2017」(2017年3月8~10日、主催:日本経済新聞社、日経BP社)のセミナーに登壇。これまでの「弘前COI」での取り組みと成果、今後について語った。

 弘前COIは、弘前市岩木地区の住民に対し、600項目以上の健康診断を通じて“短命県”である青森県を“長寿県”にすることを目指したプロジェクト。病気になる前の人を対象に多項目の検診を実施することで、多因子疾患の多い現代病の解明も目指している。

 これまでに収集したデータから、「QOL(生活の質)の維持および向上には運動や睡眠が重要な要素であることがわかっている」と村下氏は話した。このほか、65歳以上の運動能力を10m歩行で測ったところ、男性は身内との会話、女性は食事やくつろぎ、買い物などが重要であることがわかったという。「なんとなくそうではないかと思うことが科学的エビデンスとして出てきている」と村下氏は手応えを述べた。

 今後、弘前COIが導入を計画しているのは、ウエアラブルデバイスだ。2017年から弘前COI内の「岩木健康増進プロジェクト」で取り入れる。ウエアラブルデバイスを使って血圧や身体活動を測定し、健康診断項目との関係性を解析するという。目下、「ウエアラブルデバイス開発企業を募集している」と村下氏は呼びかけた。