設立記念式典の様子
設立記念式典の様子
(出所:日経BP)
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 2月27日、太陽光発電事業者の業界団体として、一般社団法人・日本再生可能エネルギー事業者協議会(JSEC : Japan Sustainable Energy Council)が設立された。発足時の賛同者は法人・個人の約140で、代表理事には山佐(岡山県新見市)の東原隆行氏が就任した。事務局は東京都港区に置く。

 2月28日には都内で設立記念式典が開かれ、衆議院議員の谷公一・国土交通委員長(自由民主党)、衆議院議員の三原朝彦・経済産業委員会委員(自由民主党)、環境省・リサイクル推進室の佐川龍郎室長補佐などが登壇して祝辞を述べたほか、環境省の原田義明大臣、経済産業省・新エネルギー課の山﨑琢矢課長がビデオ録画などで祝辞を寄せた。
 
 JSECの設立は、昨年10月に経産省が太陽光発電の長期未稼働案件に対する新たな措置の案を公表したことがきっかけとなった。この措置案によって、すでに着工済みの案件なども大きな影響を受けることから、有志の太陽光発電事業者が衆議院議員会館などに集まり、意見交換会を開催して意見書をまとめた。この時の参加者などが母体になった。

 「各企業が個別に政府に陳情しても要望が伝わらないことを思い知らされ、太陽光発電事業者の意見を集約して提言できる業界団体の必要性を痛感した」(東原代表理事)との共通認識から、設立の準備を進めてきた。 

 設立式典で、東原代表理事は、今後の活動理念として、以下の3つを掲げた。(1)国や地域、電源間、企業間の垣根を越え、再生可能エネルギーの普及・発展・持続を目指す。(2)世界中の叡智を結集し、再エネの主力電源化に向けた政策を提唱していく。(3)再エネの社会的便益とは、まさにS+3E(安全性+環境性・経済性・安全保障)であり、こうした便益を一般国民に幅広く周知するーーー。

 今後、JSECは定期的に勉強会を開催するほか、再エネ発電事業者の意見を集約するなどして、再エネ政策に関して提言などを行っていく方針だ。

 太陽光発電の業界団体としては、すでに太陽光発電協会(JPEA)があるものの、理事はソーラーフロンティア、カネカ、京セラ、パナソニック、三菱電機という太陽光パネルの国内大手メーカーが占め、太陽光発電システムの製造や施工会社の集まりという色彩が強い。昨年10月に太陽光の長期未稼働案件に対する措置公表の際にも、当初、その影響の大きさを把握できず、発電事業者にアンケート調査を実施して意見を集約した経緯がある。