パナソニックは2016年2月23日、4.7型液晶搭載で重さ275gのハンドヘルド「TOUGHPAD」である「FZ-N1」を発表した。病棟での患者・薬剤・実施者の3点認証やバイタルサイン登録、ナースコール呼出連携など医療現場での利用も推進していく。価格はオープンで想定実売価格は15万円程度。同年2月26日から国内法人向けに発売を開始する。

発表したTOUGHPADの新機種。背面上部の出っ張り部分が斜めに配置したバーコードリーダーで(写真左)、読み取り操作性を向上した
発表したTOUGHPADの新機種。背面上部の出っ張り部分が斜めに配置したバーコードリーダーで(写真左)、読み取り操作性を向上した
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 今回の製品は、過酷な現場や屋外での利用向けに販売してきたAndroid4.2.2版「FZ-X1」シリーズの後継機種。Android5.1.1を搭載し、NTTドコモ対応とKDDI対応の2機種を用意する。

バーコードリーダーは斜めに配置

 275gの軽量であることに加え、大きく5つの特徴を備える。すなわち、(1)TOUGHPADの代名詞である頑丈性能、(2)操作性を向上したバーコードリーダー搭載、(3)騒音下でもクリアな音声通話、(4)晴天下や手袋装着時にも対応する視認性・操作性、(5)長時間業務に耐えるバッテリー性能と充電機能、である。

 (1)の頑丈性能については、コンクリート面への1.8m高からの落下試験、1m高からの2000回に及ぶ連続落下試験(タンブル試験)などをクリアした耐衝撃・耐振動性能を持つ。また、毎分12.5Lのジェット水流に3分間さらす、水深1mに30分間放置しても稼働可能な性能も有する。

 (2)のバーコードリーダーについては、1次元、2次元など44種類に対応する専用機同等の機能を搭載。読み取り部分を上方背面に斜め向きに配置したデザインにより、読み取り対象物、エイマー(レーザー光による赤い照準光)、端末画面を同一の視野でとらえることができ、迅速で正確な読み取り作業が可能になるという。

 (3)の騒音下での音声通話については、マイクを正面カメラ横、下部のボタンの間、背面カメラ横の3カ所に配置するとともに、雑音帯域を低減するエフェクターであるノイズサプレッサーにより、4G/3Gの音声通話において周囲に騒音がある環境でもクリアな通話を可能にする。また、大口径のスピーカーを2台搭載し、ハンズフリーでの会話や電話会議などにも利用しやすくした。

 (4)の視認性・操作性については、500cd/m2の高輝度バックライト、反射防止ディスプレイにより晴天の下でもはっきり見える視認性を確保。また、手袋操作モードや水滴誤作動モードにより、雨天などで手袋を装着した状態でも操作できる。

 (5)のバッテリー性能と充電機能については、3200mAhのバッテリーを標準搭載し、約8時間稼働、約24時間の連続通話、バーコード連続読み取り約12時間、待ち受けで約700時間を充電なしで利用できる。また、1~2分以内であれば、電源を切らずにバッテリーパックの交換が可能で、交換後にアプリケーションもそのまま利用できるという。