「エネルギー革新戦略」の概要の一部
「エネルギー革新戦略」の概要の一部
 (出所:経済産業省)
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 経済産業省は2月22日、総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会を開催し、2030年の望ましい電源構成(ベストミックス)を達成するための「エネルギー革新戦略」の中間とりまとめを公表した。昨年7月にベストミックスが決まったことを受け、検討してきた。

 再生可能エネルギーの拡大にも多くの項目を割き、(1)固定価格買取制度(FIT)の見直しによる、国民負担の抑制と最大限導入の両立、(2)系統制約の解消、(3)再エネ拡大に向けた規制改革、(4)研究開発、というテーマに分け、これまで総合資源エネルギー調査会などで検討されてきた内容を再確認した。

 加えて、「革新戦略による新たな展開」として、「低炭素電源市場の創出と再エネ産業の再構築」というテーマで、電力市場を活用した再エネ促進などの方向性を示した。

 このなかで、「2017年中にネガワット取引市場の創設に向け、2016年度中に取引ルールを策定する」との施策を示した。同市場では、需要家の受電量削減(ネガワット)に加え、太陽光や蓄電池(ポジワット)などを統合制御して需給調整に活用することも想定している。

 また、「FITに基づく再エネの低炭素価値が全需要家に帰属することを踏まえ、低炭素電源が市場の中で、その価値が適切に評価される市場の在り方やルール整備など検討する」との課題を示した。2019年以降、FITによる買取期間が終了する再エネ電源が順次、出てくることも踏まえ、今後、電力市場のなかで、再エネを推進していく方向性を明示した。

 「再エネ産業の再構築」では、太陽光について「維持管理を含めた長期安定的に電力を供給する総合的な太陽光発電ビジネスへの展開など、ポストFITも見据えつつ、再構築する必要がある」としている他、「海外市場への展開を推進していく」との方向性を示した。