22kVアルミCVTケーブル断面図
22kVアルミCVTケーブル断面図
 (出所:古河電工)
[画像のクリックで拡大表示]
「パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所」完成予想図 
「パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所」完成予想図 
(出所:パシフィコエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]

 古河電気工業は2月18日、岡山県美作市に建設する連系出力約30MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所」に、アルミニウム材料を電気伝導体に使用した地中送電ケーブルを納入すると発表した。

 一般的に、地中送電ケーブルの電気伝導体には「銅」が使用されているが、銅は高い価格変動リスク、将来の資源枯渇リスクを抱える。さらに近年は、建設現場における人手不足の慢性化を背景とした送電工事の省力化ニーズも高まっている。「アルミニウム」を電気伝導体に採用することで、銅に比べて製造コストと価格変動リスクを抑えつつ、軽量化によって送電工事の省力化に貢献できるという。

 同社はこうした利点に着目し、アルミ材料を電気伝導体に使用した地中送電ケーブルの製品化に取り組み、「22kV級アルミ導体架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(以下、アルミ導体CVケーブル)」とその接続用品の開発に成功した。今回の受注は、メガソーラーの地中送電ケーブル用途として、国内で初めてとなる。

 今回開発したアルミ導体CVケーブルとその接続用品は、同社グループの持つ地中送電ケーブルに関する知見や技術を組み合わせて実現したという。アルミ導体CVケーブルはビスキャス(東京都品川区)が製造し、ケーブル接続用品は古河電工パワーシステムズ(横浜市)と共同開発し、製造した。

 古河電工グループは、22kV級だけでなく、低圧から超高圧まで幅広いアルミ導体CVケーブルと接続用品の開発・製造や、販売・技術支援に取り組む方針で、主として再生可能エネルギー分野において2018年度までに当該製品の売上高を5億円以上に拡大する予定。

 パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所は、パシフィコ・エナジー(東京都港区)が開発を進めている。施工は、東洋エンジニアリングと山九プラントテクノが担当し、太陽光パネルはインリー・グリーンエナジー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用する。