今回、いよいよ全国2カ所に設置されたレセプト情報等オンサイトリサーチセンターの試行的利用が開始された(図は本誌が作成)
今回、いよいよ全国2カ所に設置されたレセプト情報等オンサイトリサーチセンターの試行的利用が開始された(図は本誌が作成)
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 京都大学医学部と厚生労働省はこのほど、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータを閲覧できる施設である「レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)」を開設、2016年2月17日より試行的利用を開始した。東京大学に設置された同センターの試行的利用が2015年12月24日に開始されたのに続いて利用が始められた。

 厚生労働省は、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータの利活用を推進するため2011年11月より研究者や行政機関などへデータ提供を行ってきた。しかし、データを受けるためには研究者側で十分なセキュリティー環境を整備する必要があり、限られた研究者などしか利用できていなかった。そのため同省ではデータ利用の機会を拡大するため、自らセキュリティー環境を整備できない研究者でもデータ利用が可能な施設として、レセプト情報等オンサイトリサーチセンターを東日本(東京大学)と西日本(京都大学)に設置することとし、準備を進めてきた。

 レセプト情報等オンサイトリサーチセンターでは、システムの安定的な稼働のための検証を行いつつ、利用者の範囲や利用方法などの運用ルールの確立を図る。そのうえで、精度の高い研究の実施に役立つようなオンサイトセンターの特性を生かした活用方策を検討していくよう進められている。

 京都大学医学部のレセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)運用部は、関係諸講座の連携のうえで、同センターの運営にあたるとともに、NDBの第三者へのデータ提供制度におけるさまざまな普及活動にも取り組んでいくという。また、NDBに関する研究を推進するとともに、データの有効、適切な利活用についてさまざまな角度から検討を行っていくとしている。