決算発表に臨む中村氏
決算発表に臨む中村氏
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 日立製作所 執行役副社長 CFOの中村豊明氏は2016年2月3日の決算説明会で、同年1月に実施された東芝メディカルシステムズ売却に向けた入札に参加しなかったことを明らかにした。医療機器というハードウエア事業で「規模を追うつもりはなく“尺に合わない”と判断した」(同氏)。

 国内ヘルスケア市場は「サービス(の商機)は多いが、ハードウエアは海外勢の参入などもあり激戦区になる」(中村氏)と同社は見る。この先「ハードウエア(の需要)が増えるか、(買収金額を)ハードウエアで回収できるか」(同氏)との視点から応札を見送った。

 東芝メディカルは日立と同様、X線CT装置などの画像診断装置を主力とし、日本国内ではとりわけ高いシェアを持つ。買収は市場シェア拡大にはつながるものの、サービス分野に商機を見込む日立にとってメリットは薄いと判断した形だ。