事業のスキーム図 
事業のスキーム図 
(出所:東芝)
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 東芝は2月1日、神奈川県内の屋根上太陽光発電設備から電力を調達し、同県内の需要家に供給する電力小売り事業を開始したと発表した。神奈川県が2015年7月に公募した「平成27年度 地域電力供給システム整備事業」に採択されたもので、神奈川県内で電力の地産地消を実現する。実施に要する経費の3分の1を県が補助した。
 
 平塚市にある東海大学柔道部寮の3棟の屋根上に、東芝製の出力47.5kWの太陽光パネルを設置した。発電事業者は、東芝プラントシステムとなる。東海大学は、東芝プラントシステムに屋根上を貸し、賃料を受け取る。太陽光発電システムを設置する資金は、芙蓉総合リースが調達し、東芝プラントシステムとリース契約を結んだ。

 発電した電力は、東芝が買い取り、県内の需要家に安価で販売する。2月1日から、工場、事務所ビルなどの高圧需要家向けに電力供給を開始した。一般家庭向け電力市場の自由化が始まる4月から、東海大柔道部寮をはじめ一般家庭向けにも電力を供給する。東海大学の寮には、従来に比べ約5%安い価格で販売する予定。

 東芝は、2015年7月に特定規模電気事業者(PPS事業者)の届出書を提出していた。今後も、今回のような屋根上にパネルを設置するスキームも含め、東芝製の太陽光発電システムや照明、空調システムなどの省エネルギー機器と組み合わせて割安な電力を提供するビジネスモデルを検討していくという。