米グリーンピースが公開した調査報告書「Clicking Clean」における各企業の比較
米グリーンピースが公開した調査報告書「Clicking Clean」における各企業の比較表
(出所:Greenpeace USA)
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 環境NGO(非政府組織)の米グリーンピース(Greenpeace)は1月10日、IT関連企業の再生可能エネルギーの活用度合いを調査し、アップル、グーグル、フェイスブックなどの企業が電力需要を100%再エネで賄う目標に向けて大きく前進している一方、ネットフリックス(Netflix)、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、サムスンなどが後れを取っていると発表した。

 グリーンピースの公開した調査報告書「クリッキング・クリーン(Clicking Clean):グリーンなインターネットを構築するレースの勝者は誰か?」で明らかにした。同報告書では、大規模なデータセンターの運営事業者や、最も人気のあるウェブサイトやアプリ約70件によるエネルギー消費状況を調査している。

 米グリーンピースでIT担当シニア・アナリストを務めるゲーリー・クック氏は、「アマゾンは再エネに関して良いことばかり言っているが、顧客にはエネルギーに関する意思決定を隠している。同社が、エネルギーのクリーンではない市場に進出している状況を考慮すれば、懸念すべきことだ。ネットフリックスも責任を受け入れて、事業の成長を支えるエネルギーを化石燃料から再エネに転換すべきだ」と述べている。

 ネットフリックスは、ネット動画の配信事業を手がけている。今回の調査対象企業の中でもデータ送信量が最大の企業の一社で、北米におけるインターネット上のデータ送信量の3分の1を同社が占めるという。

 同社は2015年に、温室効果ガス排出量をすべてオフセットするという意向を発表していた。ところが、詳細に調査したところ、再エネ投資の増加にはほとんど関係のないカーボンオフセットや再エネクレジットを調達している可能性が高いと指摘している。