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薬の副作用の有無をAIが100%的中、東大

2017/02/01 16:54
近藤 寿成=スプール
人工知能による画像認識・分類、およびけいれん誘発作用の予測
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濃度ごとに神経イベントを検出し、1枚に重ね合わせた画像
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 東京大学大学院 薬学系研究科 教授の池谷裕二氏らの研究グループは2017年1月30日、けいれん誘発作用を持つ薬物を、人工知能を使って高い正解率で選定できる手法を開発したと発表した。マウス脳スライスからの局所場電位の記録と、人工知能による画像認識を併用する。

 今回の手法では、まずマウスの脳からスライス標本を作成。その標本をマグネシウムイオン濃度が低い状態にさらした後、さまざまな作用機序を持つ薬物を5段階の濃度で順次還流させ、局所場電位の変化を記録した。その結果、ヒト臨床でけいれん誘発作用が報告されている薬物は、マウスの脳スライスにおいてもけいれん様の異常な神経発射を引き起こすことが分かった。

 ただしこの手法では、けいれん誘発の副作用のない薬物にも反応してしまうことがあるという。そこで、そのエラーを選別するために人工知能による自動画像判定を活用した。

 具体的にはまず、局所場電位から神経活動イベントを真偽を問わずすべて検出して画像化し、濃度ごとに重ね合わせて1枚の画像に変換する。各薬物ごとのこの画像をディープラーニング(深層学習)の公開ライブラリー「Caffe」に入力し、特徴データに変換して分類することで、けいれん誘発作用を持つ薬物を、そうでない薬物と分離できたという。

 続けて、薬物のけいれん誘発作用を予測することを狙い、ディープラーニングによる識別が統計的に有意かどうかを交差検証と呼ぶ手法で判定した。この結果、14種類すべての薬物について正確な予測が得られたという。さらに、まったく新しい薬物を 2 種類追加しても、予測の結果は臨床で報告されている副作用の有無と一致した。

 今回の手法は、薬品開発の前臨床段階において、動物試験の代わりに化合物のけいれん誘発作用を精度よく予測する手法になり得るという。また、人工知能による画像認識を用いるこの手法は、多くの一般的な実験データの解析にも応用可能だとしている。

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