「アンチLID」技術を搭載した
「アンチLID」技術を搭載した
(出所:日経BP)
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 ハンファQセルズジャパン(東京都港区)は1月25日、住宅用太陽光パネルの主力製品として3機種の新製品を発売した。単結晶シリコン型の60セル・300W/枚と48セル・240W/枚、そして景観対応型ブラックモデル(60セル・290W/枚)の3タイプになる。

 入射した太陽光をセル(発電素子)内に閉じ込める「PERC」(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)技術に加え、新たに開発した出力安定化技術を採用したのが特徴という。同社ではこれらの技術を併せて「Q.ANTUMセル」と呼んでいる。

 一般的なPERC構造のパネルでは、初期にセル内部の構造変化によって出力が低下する「LID現象」が見られるという。ウエハーに不活性化した添加物を加えることで、この現象を抑える「アンチLID(Anti-LID)」技術を確立し、新製品に適用したという。

 同社は、2011年に日本市場に参入以来、累計で2.7GWを出荷し、その8割が産業用になっている。2016年には、約700MWを出荷し、その約25%が住宅用と低圧連系発電所向けだった。2017年は、700MW以上の出荷を目指しており、今回の新製品などで住宅向けを強化することで、住宅用と低圧連系案件を併せた割合を30~40%に高める計画という。

 また、日本でのメガソーラー(大規模太陽光発電所)開発による売電事業にも、引き続き取り組む。現在までに、稼働済みと着工済みの案件は約70MWに達している。さらに現在、約300MW分の開発を進めているという。