米アレイ・テクノロジーズ(Array Technologies)社は1月17日、追尾式太陽光発電システムのアーキテクチャーについて、集中型アーキテクチャーが非集中型よりも均等化発電原価(LCOE)が6.7%優れるとの調査結果を発表した。

米Array Technologies社の一軸型追尾式架台
米Array Technologies社の一軸型追尾式架台
(出所:Array Technologies)

 アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催された「World Future Energy Summit (WEFS)2018」において、第三者認証機関であるテュフ ラインランド社の調査結果を基に同社が講演を行ったもの。

 アレイ社は集中型アーキテクチャーに基づく追尾システムを製造・販売しており、テュフ社に調査を依頼していた。

 集中型アーキテクチャーでは、すべての太陽光パネル・アレイを中央の1カ所に配置したモーターで駆動する。非集中型では、太陽光パネル・アレイごとにモーターや制御システムを備えそれぞれを駆動する。

 テュフ社の調査によると、集中型アーキテクチャーの追尾システムに基づく出力100MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)では、LCOEが2.75セント/kWhになった。

 一方、非集中型アーキテクチャーによる同規模のメガソーラーのLCOEは、2.94セント/kWhだったとする。

 メガソーラーの寿命を30年間として計算すると、このLCOEの差は約1240万ドルにもなり、集中型アーキテクチャーの追尾システムの方が非集中型より優れるとした。この差は主に、定期・非定期のメンテナンス・コストによって生じるという。

 アレイ社によると、追尾式太陽光発電システムの複数のアーキテクチャーを比較する形でのパフォーマンスの調査は初めて。同調査では、今回発表を行ったUAEの位置する中東・北アフリカ(MENA)地域に多い酷暑や強風も考慮した。

 WFES201で発表を行ったアレイ社のブラッド・フォース執行会長は、「プロジェクト開発者やEPC(設計・調達・施工)事業者が追尾システムを選択する際、O&M(運用・維持)コストに着目することが重要だ。20~30年という長期の運用では、追尾システムのO&Mに関するリスクが太陽光発電プロジェクトの実行可能性や利益率に大きな影響をもたらすからだ」と述べている。