DNA検査装置「GenelyzerⅡ」(左)と「DNAチップカード」(右)
DNA検査装置「GenelyzerⅡ」(左)と「DNAチップカード」(右)
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 東芝メディカルシステムズは、牛呼吸器症候群(BRDC、Bovine Respiratory Disease Complex)に関連する微生物を検出する研究用試薬「ウシ呼吸器病遺伝子検出キット」のサンプル出荷を2015年2月中旬から開始すると発表した。全国農業協同組合連合会家畜衛生研究所で実用性評価を実施し、その後一般販売に移る。

 今回のキットはBRDCに関わる9種類の微生物種(マイコプラズマ・ボビライニス、マイコプラズマ・ディスパー、マイコプラズマ・ボビス、マンヘミア・ヘモリティカ、牛RSウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルスⅠ型、牛ウイルス性下痢ウイルスⅡ型、牛コロナウイルス、牛ヘルペスウイルスⅠ型)の遺伝子を同時に検出できる。検査には牛の鼻汁もしくは鼻腔スワブから抽出した核酸溶液を使用する。抽出した溶液は同キットの「DNAチップカード」に注入し、DNA検査装置「GenelyzerⅡ」で解析する。

 遺伝子の検出には「抽出」「増幅」「検出」「解析」の手順があり、従来はそれぞれを別作業で処理していたほか、複数の微生物種の遺伝子を同時に検出するには増幅の工程で使用する装置が複数台必要だった。同社の「GenelyzerⅡ」は9種類の微生物種を同時に検出可能な上、増幅、検出、解析の工程を全自動で処理できる。所要時間も約85分と短いという。