中国の調査会社であるPV InfoLinkは1月23日、2018年における太陽電池セル(発電素子)の出荷量に関するランキングを発表した(図1)。

図1● 中国のPV InfoLinkが発表した2018年の太陽電池出荷量ランキング
図1● 中国のPV InfoLinkが発表した2018年の太陽電池出荷量ランキング
(出所:PV InfoLink)

 同社の需要供給データベースによると、2018年のランキングのトップは中国Tongweiで、出荷量は6.5GW超だったという。AikoとUniexが4GW超でそれぞれ2位と3位でTongweiに続いている。PV InfoLinkは、これら3社が2019年もランキングの上位を維持すると見込む。

 中国の大手太陽光パネルメーカーであるトリナ・ソーラー、ジンコソーラーやカナディアン・ソーラーは、Tongweiなどのメーカーから太陽電池セルの供給を受けている。

 ランキングの4位は台湾United Renewable Energy(URE)、5位は同Motechである。製造コストが中国メーカーより高いこと、欧州で最低輸入価格(MIP)制度が廃止となった後で同市場における優位性が大きな影響を受けたことなどから、台湾勢の競争力は急速に低下したという。

 2018年の太陽電池市場で最も重要な出来事としてPV InfoLinkは、PERC(裏面不動態式)セルの容量が拡大したことと、発電効率の向上を挙げている(関連記事)。

 同社の調査によると、最も多くのPERCセルを出荷した太陽電池メーカーは、Aiko、Pingmei、Tongweiの3社である。中国政府の「総合トップランナー・プログラム」が2018年上半期に高効率PERCセルの需要拡大に寄与したという。

 単結晶PERCセルの製造ラインでは現状、発電効率をさらに引き上げることは困難だが、メーカーの多くが製造容量を拡大する計画であることから、コストの下落が継続すると見込む。

 また、両面受光型セルに関しては、1.4GWでAikoが最も多く出荷したとしている。

 次世代太陽電池セル技術のトレンドは不確定要素が大きいものの、従来型のセルのシェアは引き続き下落し、両面受光型パネルや大型のウエハーが徐々に増加するとしている。その過程で生産ラインをどのように調整できるかが、次の事業機会の獲得に極めて重要になるという。