決算を発表する富士フイルムの助野氏
決算を発表する富士フイルムの助野氏
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 富士フイルムホールディングスは2016年1月27日、2015年度第3四半期(2015年4~12月累計)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.5%増の1兆8415億円、営業利益は同7.6%増の1339億円となった。インスタントカメラ「チェキ」が好調なイメージングソリューション部門と、医療IT/内視鏡/超音波診断装置などの「メディカルシステム」が好調なインフォメーションソリューション部門が牽引した。

 純利益は、前年同期比10.1%減の844億円だった。再生医療事業を手掛けるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)の連結子会社化による評価益212億円を前年同期に計上した影響という。

 ヘルスケア関連では、医療ITや内視鏡、超音波診断装置など「診断機器分野が非常に好調」(富士フイルム)。診断機器分野では通期売上高で「前年比2ケタ%の成長を見込んでいる」(同社 取締役 経営企画部長の助野健児氏)という。医薬品についても「抗がん剤やアルツハイマー治療薬のパイプライン(次世代薬)開発が着実に進んでいる」(同氏)とした。

 同社は、東芝の医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却先の有力候補の1社と目されている(関連記事)。買収の意向については「当社から話すことはなく、コメントは控える」(助野氏)とした。

 2015年度通期(2015年4月~2016年3月)の業績見通しについては、従来予想を据え置いた。売上高は前年度比3.5%増の2兆5800億円、営業利益は同10.2%増の1900億円、純利益は同1.2%増の1200億円を見込んでいる。これらの達成へ「順調に推移している」(富士フイルム)。